私たちが普段なにげなく使っている通貨単位「円」。これはいつから始まったものなのでしょうか?
また、どんな由来があるのでしょうか?
ここでは日本人なら誰でもが使っている「円」という単位について解説をしています。
明治の新貨条例公布
テレビで江戸時代の時代劇を見ると悪徳商人がお代官様に賄賂を渡している場面がよく出てきます。
商人がお代官様に金貨○×両を渡して、お代官様が「そちもワルよのう」とニンマリとした顔で言っているのを思い浮かべる方も多いと思います。
この時代劇を見てもわかるように、江戸時代の通貨単位は「両・分(ぶ)・文(もん)」が使われていました。
日本の通貨が円になったのは、明治初期に新貨条例という法令が発布されたことに由来します。
江戸時代の頃は藩内でのみ通用する藩札という物があったのですが、各藩で異なる藩札を使っていたため、廃藩置県に伴い、通貨制度が混乱をしてしまいました。
そのため、日本全国で共通して使うことができる統一通貨として「円・銭・里」という新しい通貨単位が採用をされました。
明治初期の1円の価値
当時は古いお金である1両を新しいお金である1円と交換をしていました。
また、外貨である米国1ドルとの交換は1円でした。
つまり、1円は1両あるいは1ドルと同じ価値があり、当時はとても高額なお金だったという事がわかります。
現在では、1円というと何も物を買えない金額ですが、当時の1円はすごく価値のある金額でした。
「円」という呼称の由来
「円」という呼称の由来は様々な説があるのですが、最も有力視されているのは、当時の硬貨がすべて真円の形をしていたからだと言われています。
江戸時代の頃の通貨と言えば、楕円形の形をした小判、あるいは長方形の形の一分銀などが一般的であり、真円のお金はあまり一般的ではありませんでした。
そのため、新貨条例の公布に伴い、通貨が真円の硬貨となったのは当時としてはとてもインパクトがあるものでした。
ちなみに、「銭」という単位の由来は米国の通貨単位「セント」から来ています。
「セント」と発音が似ているので、「銭」が通貨単位に採用されたそうです。