日本のお金の歴史

物々交換と物品貨幣

コイン 日本にお金という概念がなかった頃は、取引は物と物との物々交換で行われていました。
2者間の物々交換は交換をする物がお互いに相手の物を必要としていなければ取引が成立しません。 そのため、なかなか取引の成立が難しかったようです。
そのため、自分の交換品は誰もが必要とする食料品や塩、工具などに最初に交換して、そこからさらに自分が欲しい物を持っている人と交換を行いました。
このような誰でも必要とする物は、物品貨幣と呼ばれて貨幣同様の取引が行われました。 ただし、貨幣と比較すると物品貨幣はかさばるし、食品の場合は傷んでしまうという事が欠点がありました。
そのため、同一品を大量生産でき、形が小さくかさばることがなく、価値の高い金や銀、あるいは銅などを使った鋳造貨幣が物品貨幣にとって代わりました。

国内初の硬貨

日本初の鋳造硬貨は、歴史の教科書にも記載されている「和同開珎」です。 6世紀の初頭に作られ、その特徴は貨幣の真ん中の正方形の穴と表面の穴の周りの和同開珎という浮き出し文字です。
製造当初は銀を使って作られていましたが、すぐに銅で鋳造された銅銭に代わっています。 ちなみに、「和同開珎」の形状には2タイプあり、古いタイプのものは厚みがあり作りが雑でしたが、新しいタイプのものは薄くなり作りが緻密となっています。

日本の紙幣

最初の日本の紙幣は、今の三重県で15世紀頃に商売を行っていた商人の証書だと考えられています。 政府が発行した硬貨のお釣りとして取引を行った商人へ渡した私幣でした。
その後、江戸時代になり藩体制となると、藩札という紙で出来たお金が発行されるようになりました。 この藩札は自分の藩内のみで使える地域通貨として使われていました。
当時は、一般の人は自由に藩の外にでることは許されなかったので、藩内でしか使えない藩札でも十分利用価値があったわけです。